オフィス モモ:大泉学園の匠 名人!

 

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大泉学園の匠 名人!



随分前に、亡き母が「お母ちゃんがお嫁に来る時に持って来たはさみだよ。使いな。」と、今では小振りのたちばさみを渡してくれた。バレエの発表会をやることに決めて、衣裳を作り始めた頃だと思う。

そのはさみを随分使ったあとで、大事にしなければとどこかの研屋(とぎや)さんに出したら…まったく切れなくなって帰って来た。母には言うに言えずそのままになっていた。もう形見になってしまったそのはさみ、今度の衣裳作りにかかる前に、その後買った新しいハサミを研いでもらおうと、以前から気になっていた西武線大泉学園駅西口の「忠正刃物店」に持って行った。

上品なご主人が「あ、いいですよ。明日までにやっておきますよ。」と…次の日、それは素晴らしい切れ味になっていた。そこで「古いハサミなんですけど、見てもらえますか。」とたずねる。そして私の誕生日にあずけた。

引き取りに行ったのは27日、するとご主人少し興奮気味に「これは年代物のいいハサミだよ。」と、色々な資料を見せて下さった。刀鍛冶が仕事がなくなり、ハサミを鍛えたこと、持ち手のところまで叩いて作ってあること、そこは軟鉄で今はその軟鉄がてに入りにくくなっていること、今のハサミの持ち手は鋳物で型抜きであること…「こういうハサミはいつまでも使える。でも、名人が研がないとうまく合わせることができないんだよ。研ぐのは誰でもできる。でも、刃をあわせられないんだな。もう今では、なかなか手に入らないハサミだよ。」

感動しました。ハサミの歴史もそうですが、ご主人の腕にです。まさに「匠」の技。家に帰って机に置いてみると、輝きも増して(写真は電気の下だったので少しハレーション起こしてます)、何より吸い付く
ように切れます。

ご主人にも言いましたが“お母ちゃんが帰って来た!”そんな気がしました。これからは、包丁も「忠正」で良いのを買って、ご主人に研いでもらおうかと思っています。

それから、小さなハサミをここで買いました。昔話の「舌きり雀」みたいなハサミと言ったら「ああ、ニギリバサミだよ。」といくつか出してくれました。買ったのは「これなら大丈夫だよ」と言ってくれた真ん中へんのお値段のものでした。切れます!

昔は、ハサミは高価なものでなかなか買えなかったそうです。姉に話したら「おじちゃん(祖父)、きっと特注してお母さんにいいもの持たせたんだよ。」と。

宝物が増えました。使いつつ大切にします。
「忠正(ただまさ)刃物店」は、大泉学園駅西口、NOVOパルコの前。小さなお店です。写真は名人です。奥様も素敵な方でした。